ふりょ記

サークル『Koh's Factory』の活動報告ブログです。

試製拳銃付き軍刀(っぽいもの)

公開日 2008/01/29
更新日 2021/04/03


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試製拳銃付き軍刀について、もっと詳しく知りたい方は、
↓こちらの本をお勧めします。(クリックしても私にお金は入らないのでご安心を)


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キムさんが主催されている全日本BLK2007、私も手ぶらだと申し訳ないんで、 一応こんなのを作っていきました。エントリーに間に合わなかったので本選には出られませんでしたが…


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試製拳銃付き軍刀(っぽいもの) です。


元ネタの試製拳銃付き軍刀は、 一部の変態銃好きにはとても有名な銃(軍刀)ですね。


試製拳銃付き軍刀の概要を…

1920年代に陸軍がまじめに研究してた兵器です。騎兵の要求によって研究が始まり、各種試作品が作られました。しかし、刀と銃の接合強度の問題と、メンテナンスの簡易さを解決することが出来ず、十四年式の制式採用で、言い出しっぺの騎兵から「やっぱり軍刀と拳銃分けて持った方がいいや」と、良く考えれば当然のことを言われて廃案となりました。一般的に、旧日本軍のアレな面の象徴としてバカにされる事が多いですが、私は大好きです。

はじめて見た時に、もう中坊神経にガンガン反応しましてね。すげぇ格好いい!と一目惚れでした。一度作ってみたかったんですよね~グリップの加工だけで済むので、時間がない(修士論文の真っ只中でした)今回に丁度いいかなぁと。

資料によると、ベビーナンブをベースにしたモデルと、十四年式の試作品をベースにしたモデルがあるようで、今回はベースとして、ハドソンの十四年式を買ってきて使いました。微妙に細部が違いますが(グリップの形状・フロントサイトの位置等)この辺はご容赦下さいー。


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実物は32式軍刀をベースに刀身を短くしたモノを使っていたのですが、生憎レプリカが見つからず、部屋に転がっていた模造刀を流用。軍刀好きの方から見られると恥ずかしいですが…。刀剣については私全然詳しくないのですみません。

とにかく時間が無くて、やっつけ品で申し訳ないです…。今回のは、コンセプトの面白さを理解して貰えるよう簡単に作製したモノで、複製と言うにはおこがましいので、『っぽいもの』とさせて頂いてます。実作業時間は5時間もかかってません(時間かけられませんでした)…。

グラインダーで模造刀の不必要な部分をぶった切って、グリップにねじ止め。あとは二液混合式の接着剤とパテで仕上げました。すみません、工程の写真を撮る暇がありませんでした…


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とにかく時間がなかったので、グリップの形状も殆どオリジナルです。もし、計画が中断されなかったら、こんなモノになっていたのかも…?と、妄想しながら作りました。軍刀のフォーマットが全然わからなかったので、クリップ等も付けていません…。


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鞘は模造刀のまんま。本物とは全然違います。

南部式の、日本刀みたいなグリップの握りやすさについては定評がありますし、刀が付いているとは言え、重心はほぼ中心を通ってますから、意外と持ちやすい銃を作ることが出来るんじゃないか?と予想していたんですが…実際作ってみると、予想以上に持ちやすい銃でびっくりしました。実物は、32式の刀身をさらに短くしたものが付けられていたので、今回作ったモノよりも持ちやすかっただろうと想像出来ます。


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騎兵が馬上で扱う事を前提としていたようで、片方の手は手綱を握って使えない為、両手保持ではなく、片手保持で扱うよう作られています。そういえば、32式銃剣もサーベルタイプでしたね。

私は刀剣についてはさっぱりなので、実際の刀の動作が解らないのですが…刀を振る為にグリップに力を入れるとトリガーを引いてしまうおそれがあるので、基本的に、トリガーガードの下を握って振らないとダメですね。

刀身を縦に… つまり銃身を水平にしてグリップの力を抜かないと、指移動は不可能に近いです。よく、この銃の解説で、「鍔迫り合いをやってるときに相手を撃つ」みたいな解説がなされていますが、多分無理かと… 。あと、当時(1920〜1930年代)の騎兵に、 戦闘中そんなシチュエーションがあったのかどうか… この辺も詳しくないのでわかりません。


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一応、片手持ちでの照準は可能です。 私は非力なのでサイトがガタガタ震えてしまいますが、 片手での実弾射撃に慣れた方なら十分当てられると思いますよ。

ちなみに、初期試作では刀身が銃身と平行なモノも存在していたのですが、比較検討の結果、こちらの刀身と銃身が垂直なモノが採用されたのだそうです。古今東西のソードピストルの大多数が、刀身が銃身と平行なモノで、銃での射撃より、剣としての機能の方に重きが置かれていたのに対し、拳銃付き軍刀は、刀身が銃身と垂直となっており、銃での射撃への考慮が大きく見られます。連発が可能なオートマチックピストルの威力が高く評価された証拠でしょう。

いえ、元々ソードピストルというのは、一発撃ってしまえば後は棍棒程度にしか使えなかった単発先込め式ピストルに、どうにか武器としての威力を持たせる為のアイディア商品的な面が大きかったので、拳銃が元込め式になり、カートリッジ式になり、連発式になり、オートになり…と、威力が発展していくに従って淘汰されていったモノなんですよね…それをオートマチックの時代になって、また作ろうというのが、なんと言いますか、日本らしくてでステキなんですよね。

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当時っぽくないですが、両手持ちだと安定感が段違いです。


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虎眼流 流れ星の構えをやってる写真も出てきました(当時部活でシグルイが流行ってたのです)。私は手が小さいので握るの大変でしたが…。

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ちなみにこの状態だと銃がとても安定して、撃ちやすいこともわかりました(2枚目。サイトは使えませんが…)。


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実際には(実戦では使われてませんが)、戦闘中、刀と拳銃を一緒に使うのではなく、刀で届く相手には刀。刀では届かない相手には拳銃と、リーチで使い分けてたんじゃないかな?と思います。鍔迫り合いはコレを見た人がつけた後付設定で、開発時は考慮されて無かったのではないのかなぁ…とか思ったり思わなかったり。


詳しい方にお話を伺ったところ、当時(1920~1930年代)、既に騎兵と騎兵が剣どうしで斬り合うシチュエーションはほぼ無く、機動力を生かした偵察任務等が、騎兵の主な役目だったそうです。
そう考えると、確かにこの銃の役目もなんとな~く見えてきますね。ガチの戦闘では使用頻度の少ない軍刀と拳銃を一個に合わせて、持ち運びの便利が欲しいと考えれば…拳銃付き軍刀が作られるに至る流れが出来るのではないかと。


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この辺の小火器は、日本独自の設計思想があるので、アメリカ・ヨーロッパ系の小火器設計思想で判断すると足下をすくわれますね。ぱっと見バカに見えますが、先入観を取り払って冷静に見ると、意外とちゃんと考えられてて面白いんですよ。しかし…見れば見る程面白い兵器です。コンビネーション系の銃は、実際に持って使えと言われれば…うーん…ですが、夢があっていいですよね。映画・漫画的な使われ方を考えると、妄想がどんどん膨らみます。



おまけ その1

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以前買った仕込み杖の模造刀が出てきたので、ベビー南部と組み合わせてみました。そう見えるように写真を撮っただけで、無改造ですが…。バランス的にはこの位が良い感じです。


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14年式と合わせて。二刀流なのか 二丁拳銃なのか 二刀拳銃?



おまけ その2

のちにマルシンからガスブローバックが出たので、軍刀グリップと組み合わせてみました。グリップは未加工なので、グリップを握る力だけで無理矢理固定している有様ですが…。


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うーん。格好いい。黒+木グリになると、より刀っぽく見えますね。


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実際に撃ってみましたが、片手保持で5m先のエアガン用ガス缶にバンバン当てることができて驚きました。重いは重いんですけど、重心が手に近いところにあるので、思っていたよりも撃つのが楽です。流石に動き回るターゲットは辛いですが、5~10m先の人間大のターゲットには十分対応出来ると思います。

※フロントサイトが変なのは、いつの間にか外れて紛失してしまって、手頃なピンを差してるからです…



おまけ その3

マルシンの十四年式、どっかに飛んじゃったフロントサイトを買い直しまして、ようやく元の姿に戻りました~


で、嬉しくて、軍刀グリップを仮移植してみました。


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といっても、グリップの内側をグラインダーで削って、マルシン十四年式に合うようにしただけですが…結局、木のグリップでは強度不足がどうしても解決できないので、グリップをビニテでぐるぐる巻きにしてます。


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コレが意外と正解。グリップがミシリとも言いません。