ふりょ記

サークル『Koh's Factory』の活動報告ブログです。

MG42ウィッチ仕様製作記

公開日2017/02/17 更新日2021/04/04


同人誌、スモールアームズ オブ ザ ワールドウィッチーズで作った、MG42用サドルマガジンの製作工程です。ツイッター等で公開したものをこちらに纏めました。


isami-hama.hatenablog.com


ドルマガジン仕様のMG42は、ストライクウィッチーズではミーナ隊長、バルクホルンお姉ちゃん、ハルトマン、エイラ、宮藤(劇場版)が使用、ブレイブウィッチーズではニパ、設定上ではラル隊長が使用していますね。その他にもワールドウィッチーズシリーズでは沢山のウィッチが使用していますし、アニメ版はまどか☆マギカ劇場版でほむらが使用していました。


実を言いますと、ストライクウィッチーズの最初のOVAから、ずー…っと作ってみたかったオプションだったんですよね。10年ごしです。その間に3Dプリンタの技術がどんどん進歩したり、3D−CADソフトを手に入れたりして、ようやく夢を実現出来る環境が整ったところでのブレイブウィッチーズアニメ化で、このタイミングしか無い!と、やってみることにしたのでした。


そうそう、ウィッチ仕様のサドルマグは、ワールドウィッチーズシリーズのメディア媒体によって幾つかバージョンがあるんですが、今回はアニメ版ではなく、島田フミカネ先生がイラストでよく描かれている仕様のもの(DT15ベースのサドルマガジン)を作りました。


さて、前置きが長かったですが、作業の紹介です。



設計
実物のDT15サドルマガジンを採寸し、MG42(今回はMG42/53を使用)に合わせた形状を3D-CADで描画しました。手をつける前は、採寸してちょっと寸法変えればいいんでしょ?って軽く見ていたのですが、実際やってみるとかなり大変でした…。


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中身は強度的に再現が難しかったのでデコですが…。MG42用のサドルマガジンというものは元来実在しないものですので、可能な限り実銃の文法を用いて異物感を消しつつ設計を行うよう心がけました。


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ちなみに一番しんどかったのが、この部分でした。真円じゃないんですよこの部分…。なんかモールドが綺麗に描けないなあ…って測り直して気づきました。これに気づくまで真円で完成直前まで描いてしまってまして、まあ当然一から描き直しです。ちなみに締め切り2ヶ月前。出力に2週間かかるので時間的な余裕がここでかなり消えて焦りました…。しかし…理屈では理解出来るんですが、100年前の量産品でコレやる…?っていうのがドびっくりと言いますか…ドイツ人とんでもないですね。


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フィードカバーはMG34のものを参考に、ゴミが入るのを防止するカバーを付けています。この辺の形は全部私の妄想です…。


あ、そうそう、今回のパーツは、基本的にどの部分も0.1mm単位(細かいところは0.05mm単位)で設計を行っています。ミリ単位だとおおざっぱな形になっちゃいますから…。最初にがーーっと概形を作って、それから0.1mm単位で寸法をちゃんと決めていくと、どんどん形がピシッと締まっていくんですね。その感覚が好きです。


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こちらを出力屋さんにお願いして出力しました。出力にあたって色々トラブルがあったのですが、まあ…なんとか。


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今回はABSライクという出力方法です。おそらく光造形方式ですね。


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出力したままでは、こんな感じで積層の段差やサポート材が残っています。ちなみに出力に合わせてパーツを分割しています。


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仮組みしたのがこんな感じです。ここでパーツが合わないと全部やり直しなので、この時が一番緊張しましたね…。


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幸いプリント時の歪みを微調節する程度で済んで良かったです。
ちなみに、フィードカバーの固定レバーは実物をそのまま流用しています。


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マガジンキャッチリリースレバーは二種類作りました。片方は急に新資料が出てきて時間が無かったので、アクリルで特急出力しました(高い)


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マガジンの蓋接着


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仕上げは一旦サーフェイサーを吹いて紙ヤスリで削って段差を消していきます。面積が広いので、240番で がーっと削っています。仕上げは3Mのスポンジ研磨剤を使いました。私はモデラーさんでは無いのであんまり参考にならないと思います…。作業中は集中しちゃって工程の写真殆ど残ってないですね…


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表面が綺麗になったら、下地にモデルガン用のステンレスシルバーを吹いて、その上からそれぞれの色を吹いています。エアブラシ導入したいなぁ…と思いつつ、全部缶スプレーです。



〜以下、出来上がり〜

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右がオリジナルのDT15、左が今回作ったモノです。


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マガジンキャッチリリースレバー2種


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フィードカバー


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マガジン+フィードカバー+レバー二種類


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マガジン+フィードカバー


〜以下、無可動実銃MG42/53と組み合わせた完成写真〜
注:無可動側は、通常分解の範囲のみの分解結合で、溶接を削る等の改造は一切行っておりません。


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全体像


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脚付き


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アップ


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マガジンを外したところ



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