ふりょ記

サークル『Koh's Factory』の活動報告ブログです。

森の人制作日記

公開日2008/06/06
更新日2021/04/03

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学生最後の年にキノの旅にハマりまして、その延長で作った森の人のデコガンです。のちに再アニメ化したり、郷さんが漫画を担当されたりで嬉しかったです。


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主人公のキノさんが使ってるハンドガン(作中ではハンド・パースエイダーと呼称)が、51NAVYが元ネタである『カノン』と、ウッズマンが元ネタである『森の人』


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先日、51NAVY(右)と合わせてMGCのウッズマン(左)を購入したのですが、作中の『森の人』はカスタムモデルなので、細部がけっこう違うんですよね。かといって、79年製造のこのモデルガンを弄る度胸も無し…。てな感じで悶々としていたところ…


ブラックホール(ミリタリーイベント)で偶然、コッキング・スプリング突き出し式銃…ええと、簡単に言うと、ちょっと高級な銀玉鉄砲ですね。それのウッズマンモデルが、部品欠け・傷だらけ・マガジン無し…と、ホントにグズグズな状態で売られていました。


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お値段は500円。高いか安いかはまー…モノの種類と程度から見ると、当時は高いなーと思ったんですが、ウッズマンの形をしているモノを探そうと思ったら大変なので、今思えば安かったですね。てなわけで、これまたグズグズのM1910(ガス)と一緒に、1000円払って手に入れてきたのでした。あとで伺ったのですが、このウッズマン、ヨネザワ製らしいとのことでした。今回は、コレをベースに、『森の人』を作ってみたいと思います。



ベース・右側面。


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おもちゃとしての強度を保つ為、実銃には無い部分にビスが沢山ねじ込まれています。大きなねじはマイナスねじを使ってたり、ちょっとした心配りがされてて好印象。まぁ、全部埋めちゃうわけですが!


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これのちょっと前に手に入れた、MGCのウッズマンと。この手のおもちゃにありがちな、モデルガンからの採寸コピーかと思いきや、ちゃんと資料を当たって立体化されている様で、各部が微妙に違っていました。MGC版では省略されている部分(後述)までちゃんと立体化されてたりして、なかなか侮れません。


とりあえず分解。


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なにげな〜くバラしましたが、このトイガン、多分私より年上なんでしょうね…フレームがびみょーに接着されているので、完全分解とはいきませんでしたが、大体OK。重りが錆びてないのが意外でした。さて、はじめましょー



まずは、グリップの左右反転。プラ版とパテを盛って〜


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削ります。


今回は、挿絵の黒星紅白さんのイラストを参考に、スムース(ゴム?)・黒グリにすることにしたので、チェッカリング・コルトマーク諸々を全部埋めてしまいます。グリップの親指掛けも削除。


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右の二枚がMGCのモデルガンのもので、左が改造中のもの。形状はほぼ同じなので、どの辺を盛ったり削ったりしているかわかりやすいと思います。


パテが固まるまでの時間が勿体ないので、
同時進行でフレームのねじ穴・刻印消しを行います。


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キノが旅している世界には、『コルト社』は存在しませんので。この辺のお話は、時雨沢先生が設定紹介の際に触れられていましたね。ただ…違う世界の話となると、この銃の元設計者であるジョン・M・ブローニング(製品レベルまで改修したのはコルトの技術者)も生まれてないんじゃないかなぁ…と思うのですが…この辺がラノベとしてのギリギリのラインなのでしょう。あ、ちなみに、ねじ穴はパテ、刻印は瞬間接着剤で埋めてあります。



『森の人』の詳細については、本編2巻の、『優しい国』で、「左手用らしく、安全装置も、スライド・ストップも、マガジン・キャッチも右側にある。」と、書かれていました。薬莢のエジェクト方向については何も書かれていませんでしたから、恐らく左右反転銃ではないと思います。


フレームは溶接で肉盛り・削り直しでどうにかなるレベルのマガジンキャッチ部分のみ反転として…スライドストップ・セフティ等は、原理的にはアンビ。本来左側に露出するハズの部品は削られ、グリップの中に収まっている〜ってな感じではないかなぁ…と、勝手に妄想してみました。これなら、一応作中の描写と矛盾しません。


普通なら、左に露出したレバー類は削らずに置いておいて、アンビで使いたいと思いますが…作中の描写を優先します。


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左側のレバー類は、上記の通り隠れているという脳内設定なので、取っ払い。唯一、グリップから露出するスライドストップの一部をプラ板で作ってくっつけました。あ、そうそう。たま〜に、両手持ちの為に、左右対象のピストルが出てくるメディア作品がありますが、基本的に、元から無駄が極力排除されている小火器類は、左右反転がもの凄く大変なんですよね。例えば…このウッズマンで考えると、使い回せる部品はバレル・サイト・マガジン・マガジンキャッチ・メインスプリングハウジング…あとは細々したピンやバネ程度でしょうかね。実際に鏡面反転をやろうと思えば、一丁まるまる作るのとほぼ同じ工程が必要で、普通のカスタム屋の範疇は軽く越えてしまいます。


スライドストップ、セフティが右側になったので、元々の切り欠きを埋めてしまいます。


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スリットの復元面倒くさいです…


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右側用のレバー類をプラ板で新造〜


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スライドストップ(写真左)セフティ(写真右)。
今回、久々に田宮のプラ板を使ったのですが…銃器工作にはちと不向きですね…個人的には、やっぱりABS板が一番だと思います。



一段落したのでサフを吹いてみました。


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ピストルレベルになると、普通はエッジがダレちゃうのがイヤなのでサフは吹かないのですが…この銃は元々がグズグズだったので…


おおっ!


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左側にレバー類が露出してない!これは新鮮ですね〜。てなわけで、作業1日目終了〜明日に続きます。



作業二日目〜


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やっぱりエッジと平面欲しいなぁ…と思ったので、
一皮剥いてみることに。


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ここで、前回忘れてたマガジンキャッチ部分を新造します。


マガジンキャッチの部品


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10年以上昔に買った『作るモデルガン』のガバから。私が初めてブローバックを体験したトイガンでした…。しみじみ。銃本体はとうの昔に壊れて廃棄されたのですが、廃棄の際に全バラしして、細々したパーツは部品箱に補完してたんですよ〜ここにきて使うことになるとは…あ、本来は繋がっている部品なのですが、ガバとウッズマンではフレームの厚みが違うので、真ん中からぶった切ってます。



穴をぎゅいーんと空けて…


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こんな感じに納まりました。


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今回、この部分を作るのに大活躍だったのが、東急ハンズで買ってきたこのリューター刃。


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極小のエンドミルみたいなもんで、穴明け・削りが可能となっています。コレがもー便利で便利で。ただ、ある回転速度でスチロールを削ると、回転の熱で素材が溶けて、刃に絡みつくという弱点もありまして… 刃を一本無駄にしてしまいました…(涙)

そうそう、東急ハンズ 池袋店閉店するそうですね…(2021/09下旬予定だそうです。)思い出深いお店なので寂しいです。


グリップも一枚剥いてキズを修正。


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こんな感じに〜


おおっ! なんかプラモ雑誌の記事みたいですね。「仕上げ前の森の人。オリジナルの部分と加工した部分がよく解ると思う」とか書かれてたりするんですよね。いやーもー この作業って、時間的には前日の作業よりかかっているのですが、地味な割に全然進んでいる気がしないので滅入ってきます…。

あ、そうそう。フロントサイトブレードを止めるピンが、モールドで再現されていましてね。この部分、MGCは省略していた部分なのでちょっとびっくりだったんですよね〜。右側のねじ穴を消す際にモールドを削ってしまったので、真鍮線で新造してみました。


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さて…最後は塗装です。




それなりにキズが埋まったので塗装!


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本体はキャロムのブラックスチールでつや消し風に。グリップはメディコムのスーパーラバーでゴムグリップ調にしてみました。


なんとな〜く、それっぽくなりました?


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改造前の写真と比べると、改造箇所が分かり易いと思います〜


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MGCのウッズマンと。

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線対称っぽいです。


カノンの元ネタ銃、.51NAVYと。


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学園キノに出てきた、紅白縞模様トカレフをゲストに…


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てなわけで、本体は一旦ここで完成。


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今回は、デコガンということで、機構的な縛りが殆どなかったので、いつもより楽に工作できました〜。


時間とやる気があれば、ハーモニック型サイレンサー、スライド固定金具、レーザーサイト等の小物も作ってみたいですね。これはまたいつかの機会に。




おまけ


学園キノ、作中で中華製トカレフ(黒星)紅白 縞模様が出てたんですが、漫画版学園キノでも、私が昔塗ったのと同じストライプで驚きました。偶然だと想いますが、嬉しいモノですね。わーい!


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本文中に縞模様とだけしか書かれてなくて、ハドソンのTT-33を、あーでもないこーでもないと考えて塗ったのを思い出します。部屋を片づけていたら、学園キノの作中に出てくる鉄砲がごろごろ出てきたので、並べて写真を撮ってみました。


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黒星・紅白の存在感が異常ですね(笑)


折角なので銃だけで写真を。何丁写ってるか探してみよう!(景品は出ません。)


ポーチからざーっと出した様子。
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ちょっと並べた様子。
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